ひと昔前の和歌山県。
大阪から和歌山方面へのドライブといえば、
阪和自動車道を南下、海南ICからの海南湯浅道路は吉備IC(現有田IC)までで途切れ、一般国道42号線に回される。
そこから白浜まで、下道で何時間費やしたことかは、
今となっては過去の思い出。
高速道路の整備が進むにつれ、
広田ICまで繋がり、御坊ICまで繋がり、みなべICまで繋がり。
ついに2007年11月には、田辺市までが高速道路で繋がり、
更には白浜まで繋げようとする計画がある(設計協議中)。
その一方で、高速が繋がるにつれ、
国道42号線沿いの由緒ある国道沿いの店は倒れ、地域は錆びれる。
土産店がつぶれ、定食屋が店を畳む。
もちろん、高齢化が進む中での後継ぎ問題も要因に挙がるだろうが、
そこのも拍車がかかる。
本州との交通が便利になることで、四国への人口流入を目算していた本州四国連絡橋の開通も、
若者達は、職を求めて本州へ流出してしまうという皮肉な現実までも。
以前は国道を利用していたドライバーが、高速道路へと流れ、
次のインターチェンジまでスルー。
「1000円だから、どこへでもいける。」
「1000円だから、遠くまで行こう。」
「遠くまで行くんだから、途中で降りたくない。」
「無料されたら高速の出入りが自由になるから途中下車が容易になる」といった前向きな見方もできるが、
高速道路が1000円になった今、フェリー業界が悲鳴を上げ廃業、
鉄道や高速バスまで「お得感」を打ち出す様々なツアー企画が捻る出されてるなど、ある一定の割合で保たれていた他の交通機関とのバランスが既に崩れている中、打ち出された高速道路無料化政策。
政府の考えは、高速道路を無料開放すれば、一般道路の交通渋滞が緩和されるなどと、安易としか思えない発想を堂々と述べているが、単純に、一般道路の交通量が、高速道路に流れれば、当然、高速道路の渋滞発生回数も増える。
交通の流れが悪くなるだけでなく、事故に発展する確率も当然、増す。
2009年の年末から2010年の年明けにかけての正月休み。
年末の高速1000円は実施せず、年明け5日間の通行を対象とすると発表された。
年末に高速1000円を実施しなかったその理由が、
渋滞増加による年末の物流への悪影響を軽減させる為。
・・・やはり、高速道路を1000円にすることで、渋滞発生回数が増えることを暗に認めてしまっているではないか。
東名高速道路においての「東京方面からの下り線、1000円高速の入口」は厚木IC。
3連休にもなると、厚木IC料金所を先頭にした渋滞は国道129号線から国道246号線まで続いており、周辺地域の交通網に大きく影響を与えていた。
[0回]
PR